Scarsdale station area
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公立学校の概要

公立学校のしくみ  学校予算  義務教育   年齢と学年  入学編入手続き  保健室の役割     ESLとバイリンガル教育  学区選びの基準


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公立学校のしくみ


Scarsdale Board of Educationアメリカの公立学校の基本的な日本との違いはアメリカには日本の文部省のように教育全体を総括する機関がないことでしょう。連邦政府の「教育省」は、補助金の公布、州との協力による新しいプログラムの開発、教育調査、その他の連邦教育活動などを行います。州にはそれぞれ教育省があり、そこで制定された方針や制度のガイドラインをもとに各学区の教育委員会が学校予算の編成、教職員の採用、スクールバスの運行、校舎の建築、増築、規則の制定などを実際に運営します。学校行政の決定権限がほとんど地方自治体に委ねられているわけで、地区によって教育水準の格差が大きい要因はここにあります。スカースデール学区の教育委員会は、住民に選ばれた7名の委員からなり、その代表である教育委員長(President of the board of education)が教育長(Superintendent of the schools)を任命して実際の学校行政にあたらせます。教育委員会は、広範で人口の多いニューヨーク市のような所では小、中学校と高校が別の組織になっている所もありますが、スカースデールの教育委員会は5つの小学校(Edgewood, Fox Meadow, Greenacres, Heathcote, Quaker Ridge), ひとつの中学校(Scarsdale Middle school)、ひとつの高校(Scarsdale High school)を管轄しています。
 
教育委員会のメンバーは他に仕事を持っている人たちか家庭の主婦で、任期の間中、無給でこの仕事にあたります。教育委員会のミーティングは隔週夜、開かれ、参加できなかった住民は、ケーブルテレビでその様子を見ることができます。教育委員会の選挙は、議会選と同じで、まず各町内から住民投票で選ばれた指名委員会が何回かの話しあいで候補者を推薦、最終的に住民投票で決定します。教育委員会に選ばれる人材というのは、それまでにPTA活動や地域ボランティア活動などでその仕事ぶりを評価された知名度の高い人たちですが一般に教育のプロではありません。そこで専門家である教育長を雇い(教育長は、通常全米を対象に選ばれますので、他州の人も多く、何年かの勤務期間をスカースデールで過ごすと言うことになります。)実際の運営を任せます。ビレッジの中にある幾つかの私立学校はスカースデール教育委員会の管轄ではありません。

学校予算

学校予算は住民が支払う固定資産税、連邦政府や州の補助金によって賄われます。(地域によっては、その地区に所在する企業の基金、寄付がそれにあてられる場合もあります。)固定資産税は、家屋や敷地の大きさ、建てられた年代などによってそれぞれに額が異なります。住民は、学区に居住する者であれば、学齢期の子供のあるなしにかかわらず、また子供の数に関係なく納税します。(借家の場合は家賃の中に支払われるべき諸々の税金が含まれています。)住民は自分たちの税金がどんなふうに使われるかとても興味をもっていますから、学校予算も例外ではなく、毎年春に教育委員会から出される予算案に注意深く目を光らせています。予算の額や用途などについては子供が就学中の人たちと子供のいない人たち(就学前、既に巣立った人たちを含めて)の間では意見が分かれることも多く、毎年この時期には教育委員会のミーティングで、あるいは、新聞紙上でこの件に関する活発な意見が飛び交います。予算案の最終的な決定は住民投票の結果になるため、例えば校舎を改築するとか、教室を増やすといった大きな変化のある年は、PTAが手分けをして手紙であるいは電話網などを使って、教育委員会が出した予算案を通過させることが子供たちにとっていかに大切であるかを学区全員の親に伝え、イエスと投票することを促しあったりします。一方で予算案に反対する人たちが、その理由を訴えるために、グループ名で住民にあてた手紙を書く場合もあります。一般に豊かな学区ほど住民の税金から支払われる教育予算の割合が高く、連邦政府や州の補助金の割合は低くなります。スカースデールは、村に産業がなく、その唯一の産業が「教育」と言われる程で、予算のでどころではほぼ89.%が固定資産税、6.%が州の補助、0.75%がカウンティのセールス税からとなっています。

義務教育

義務教育の開始年齢とその期間は、各州によって違いがありますが、平均すれば6才から、16〜7才まで。ニューヨーク州は6才から16才までが義務教育期間となっています。しかし、これは4年制ハイスクールの卒業を義務づけているわけではありませんので、16才以上の高校中退者に対しては現行ではそれを阻止する法的な手段はありません。公立校はキンダガーデン、(小学校に併設されている所が多い)小学校.中学校.高校までとなっておりその学区に居住する者であれば、誰でも通学することが出来ます。スカースデールでは12月までに5歳になる子供たちが各小学校に併設されているキンダーガーデンに入り、12年生で卒業するまで、無償(もちろん、税金でたくさんひかれますが)で教育を受けることができます。

年齢と学年

アメリカの学制は、日本の6−3−3制と同じ所もありますが、5ー3ー4、6ー2−4、4ー4ー4年制がとられている所もあり、それぞれ地域によって異なっています。就学開始年齢も、12月末日までに満5才になる者、10月末日までに5才になる場合など、地域によって幾らかの違いがあります。スカースデールのシステムは、キンダガーデンが5歳から、小学校は1年から5年生まで、ミドルスクールが6,7,8,高校が9年から12年までです。

新学期と編入、退学などの際の手続き

新学期:
スカースデールの学校はアメリカのどこの学校もそうであるように、9月に始まり、6月に終了します。日本からの編入は、いまだに3、4月が最も多いのですが、できれば子供たちのために夏休み中においでになることをおすすめします。キャンプなどである程度アメリカ生活に親しむことができますし、9月から他の子供たちと一斉に新学期を迎える方が精神的にも楽で、教師もその方が指導しやすいからです。

編入:                                                                   
編入の手続きは入学時とほとんど同じです。編入する学年は、各学区によって多少の違いがありますが、スカースデールでは前年の1月1日から12月31日生まれの子供(この日付は州によって異なる)が進級の対象になりますので、編入の場合も生年月日が一応の基準とされています。したがって、生年月日にあわせて編入学年がきめられる場合、4月から12月生まれは一学年上、1月から3月生まれの子供は同学年に編入ということになります。ただし、学区によっては誕生月に関係なく日本での学年をそのまま引き継ぐ、または4月から6月に渡米した子供については、日本での3月までの学年、7月から3月に渡米した場合は日本と同学年とするとしている所もあります。どの学年に入るかは保護者の要望をよく聞いた上で、最終的には校長がきめます。 

転校、退学
転校が分かった時点でなるべく早くその理由を添えて学校へ届けること。転校することを早く知らせると、学校からもう面倒をみてもらえなくなるのではという懸念をもつ人もいるのですが、そんなことはありえないことや、教師の中には日本人は突然来て、突然いなくなってしまうと言う声もありましたので、転校、帰国の報告はなるべく分かった時点で早めにしたほうがよいでしょう。

新入学、編入、転校に伴う手続き
9月にキンダーガーデンに入る年齢に達した子供の家庭へは4ー5月頃に学校から連絡が来ますが、地域により違いがあるので、渡米して間もない場合や連絡がない場合は、この時期に学校へ問い合わせるとよいでしょう。キンダーガーデンに入る年齢はスカースデールのようにその年の1月1日から12月末日までに満5才になる子供を学齢期とする地方もあれば、10月末日をもってとすることもあり、一定していないので、その日付(カットオフデイト)については居住区の学校で確認します。手続きは地区によって多少の違いはありますが、一般的には次のような方法がとられています。学校事務局は一定期間を除いて夏休み中も開いています。
 
1)直接学校へ連絡して予約をとる。

2)持参するもの
-出生証明書(パスポート)
-住居証明(賃貸契約書、売買契約書、など
-英文による予防接種証明、健康診 前の学校の成績証明書(英文)を求められることも。特に中、高校生の場合

3)学校から渡される書類の主なもの
-入学申込書:生徒氏名、生年月日、住所、両親の名前などを記入する
-緊急時連絡用調査書:事故があった場合などの連絡先
-健康調査書:既往症や現在の健康状態などについて
-生徒調査書:子供の性格や興味、趣味、その他学校が知っておくべきことへの質問
-学区人口調査書:地区教育委員会による家族構成、子供のハンデキャップの有無などに関する調査。これをもとに就学児に対し、入学案内を送ったりする
-予防接種証明書:英文による証明書を日本から持参しなかった場合、または日本で受けた接種が州の規定に満たない時は、入学申込後30日以内に医者の検診を受ける
-健康診断書:州法は新しく学区に入るすべての子供に健康診断を義務づけている。診断書の提出がないと子供は体育の授業に参加できない。書類は受診時に医者が記入する。その際には母子手帳その他の日本での医療記録を持参する。

書類手続きは本人がいなくてもできます。手続きの際、事務所からは学校案内やPTAのしおりなども同時に渡され、バス通学の方法などが指示されます。スクールバスは学区が定めた距離(学校から1.5マイル以上離れていること)に住む子供のためなので、それに該当しない場合は、保護者が送り迎えをすることになっています。アメリカには日本のような子供だけの集団登校・下校はありません。1.5マイル以内に住む者でも有料のバスが利用できる所もありますのでで希望する場合はそれも学校に確認するとよいでしょう。スカースデールに住みながら公立学校に通わないで例えば日本人学校のような私立の学校にバス通学する場合、そのバス代は、学区が負担します。

4)本人と学校関係者(校長、スクールナース、ESL教師、スクールサイコロジストなど)との面談のあと、学年、クラスがきめられ登校日が指定され、登校はほとんどの場合翌日から許可されます。       

5)入学:担任教師、クラスへの紹介。

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